コロナ融資は終わっていない(お試しコラム)

法人保険専門の保険財務コンサルです。
一般的に「ゼロゼロ融資」のことを「コロナ融資」と思っている方も多いと思います。
実は私もそう思っていました。
なぜなら、国がコロナで困っている企業のために融資制度を拡充したので「ゼロゼロ融資=コロナ融資」だと思っていました、
ゼロゼロ融資が令和4年9月30日に終了したので、コロナ融資も終了したのだろうと思っていました。
実はコロナ融資は終わっていないのです。
(目次)
1.ゼロゼロ融資は終了
2.コロナ融資は続いている
3.まとめ

1.ゼロゼロ融資は終了
日経新聞の記事でのゼロゼロ融資の記載は次の通りです。
新型コロナウイルス禍で売り上げが減った企業に実質無利子・無担保で融資する仕組み。新型コロナの感染拡大初期は日本政策金融公庫や商工組合中央金庫などの政府系金融機関が手掛けていた。利用が相次ぎ政府系金融機関では対応が間に合わなくなったため、2020年5月からは民間金融機関も融資できるようになった。民間金融機関の受け付けは21年3月末に終了している。
引用:日経新聞 2021年10月24日
2021年10月時点ではこのように取り上げられており、制度の概略が伝えられていました。
この記事からは日本政策金融公庫だけでなく、民間の金融機関もゼロゼロ融資の扱いをしていたことがわかります。
21年3月で民間金融機関のゼロゼロ融資の扱いは終了していましたので、以後は主に日本政策金融公庫がゼロゼロ融資を続けていました。
中小企業基盤整備機構が行う特別利子補給制度(一部の対象者について、基準金利-0.9%の部分に対して当初3年間の利子補給を実施するもの(実質無利子化))は、令和4年9月30日(金)のお借入申込受付分をもちまして、取扱いが終了となりました。
日本政策金融公庫HPより抜粋
2022年9月30日でゼロゼロ融資が終了したことがこの記載でわかります。
経営者によってですが、ゼロゼロ融資の終了でコロナ融資自体が終わってしまったと思っている方もいると思いますのでアナウンスが喜ばれるかもしれません。

2.コロナ融資は続いている
中小企業が融資を受けるのは一般的に日本政策金融公庫の中でも「国民生活事業」と呼ばれる部類のものです。
ここでは「新型コロナウイルス感染症特別貸付」はまだ継続しています。
ただ、利子補給がなくなっているので利息はかかります。
制度の概要は次の通りです。
(新型コロナウイルス感染症特別貸付の要件)
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、一時的な業況悪化を来している方であって、次の1または2のいずれかに該当し、かつ中長期的に業況が回復し、発展することが見込まれる方
1.最近1ヵ月間の売上高または過去6ヵ月(最近1ヵ月を含みます。)の平均売上高が前4年のいずれかの年の同期と比較して5%以上減少している方
2.業歴3ヵ月以上1年1ヵ月未満の場合等は、最近1ヵ月間の売上高または過去6ヵ月(最近1ヵ月を含みます。)の平均売上高(業歴6ヵ月未満の場合は、開業から最近1ヵ月までの平均売上高)が次のいずれかと比較して5%以上減少している方
(1)過去3ヵ月(最近1ヵ月を含みます。)の平均売上高
(2)令和元年12月の売上高
(3)令和元年10月から12月の平均売上高
日本政策金融公庫のHPより抜粋
①既存の融資制度と別枠で上限8,000万円
②①のうち6,000万円を限度として当初3年間は基準金利-0.9%の利率適用
③民間金融機関借入の借換利用は不可だが、日本政策金融公庫の既存借換は可能
新型コロナウイルス感染症特別貸付の概要
新型コロナウイルス感染症の影響で業況が戻らない企業にとっては、特別貸付の追加や借換の可能性があるということがわかります。
ただ、実際には新型コロナウイルス感染症の発生当初よりもしっかりとした融資審査はおこなわれているので事業の改善計画などをしっかりと考えていかなければ難しくなってきていると思います。
実際に融資を返済していかなければならないので、机上の空論のような事業計画ではなく「経営計画」という実施をしていくものを作って事業を改善しなければ倒産に向かっていく可能性が高くなっています。

3.まとめ
ゼロゼロ融資を受けていた会社の中でも返済の据え置き期間を得られなかった会社もあると思います。
コロナ融資の融資額自体が大きかったので、その会社はこの2年間で数百万円程度の借入返済が進んでいるところも多いと思います。
手元キャッシュの減少と会社の業況改善のスピードのミスマッチが出ているところは、ゼロゼロ融資から新型コロナウイルス感染症特別貸付の借換で返済ペースを調整することも重要です。
今の新型コロナウイルス感染症特別貸付はゼロゼロ融資ではありませんが、据置期間の設定も可能です。
業況が戻るまでの時間を稼ぐという意味で財務の部分から経営の改善を考えることも提案の一つです。